リーダーの言霊
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HOME > リーダの言霊>第5回 リーダーの言霊 (株)プラウド 石山光博社長(3)
(株)プラウド 石山光博社長「数字は嘘をつかない」画像


松山 その後、順調に成長をとげてきたということでしょうか。

(株)プラウド サイト「ドライバー派遣」石山 そうです。お陰さまで半年後に単月黒字化することができ、その後、黒字を堅持し、「右肩あがりで成長をとげてきた」といっていいと思います。

 ただ、2008年のリーマンショックの時には、いろいろとありました。2003年に横浜支店を開設して以来、立川、埼玉、船橋、足立、水戸、柏と順調に支店網を拡大してきました。ですが、2008年の時に、この7支店を全て閉鎖しました。

 これから大変なことになると自分で予測し、社長として相当な危機感をもちまして、独断専行、事後承諾で7支店を全部閉鎖したのです。もし、これをしてなかったら、大変なことになっていたと思います。今考えるとぞっとします。

 事前に運送事業の免許をとっていましたので、ドライバー派遣がメインの会社から運送・EC物流・旅客など、実業の会社にと方向転換を図りました。収益の柱を分散し、分割統治へと移行したわけです。ドライバー派遣が収益の大きな柱であることには変わりがありませんが、江東区の潮見と埼玉の久喜に物流センターを順次立ち上げていって物流事業をメインとしてリーマンショックを乗り越えたのです。それから、難しい面はもちろんいろいろとありましたが、現在、経営は安定しているといえます。

松山 あのリーマンショックを乗り越えて経営を続けてこられたわけですが、ご自身の自己分析では、どういったことを大切にしてきたからここまでこられたと思われますか?

石山 それは財務諸表をしっかりとみることです。人は嘘をつきますが、数字は嘘をつきません。私は佐川以外で学んだことは経理だといいましたが、経営者として数字を意識することが何より大事だと思っています。
 経営上の意志決定する際にも数字を基本にしています。現在もファンド会社の資金が入っています。ただ、数字で結果をしっかり出していれば、うるさくいわれることはありません。この点はとても助かっていますし非常にありがたいことです。
 私が経営をするうえでの思考回路は、サッカーがベースになっています。

 


松山 サッカーですか?それは具体的にはどういったことでしょうか?

サッカー・イメージ写真石山 私はサッカーを40年以上やってきて、今も現役でチームに所属してやっています。サッカーで勝つためにはゲームプランが必要です。敵を分析して、自分たちのチームを分析する。

 自分たちの実力はどの程度なのか身の丈を、つまり、何ができて何ができないかを把握します。自分を知ることが大事です。自分たちの実力を知り、事前にプランをもってゲームを積み上げていく。これは経営でも一緒です。

 ベンチャーだと「勢いと気合いで仕事をとっていく」というイメージありますが、そういったのは自分に合わないなと思っています。準備が大事です。「ちゃんとやんないと、ちゃんとならないね」と、ひとつひとつ積み上げていくことの大切さを口癖のように部下たちにはいっています。
 そして「良質の意志決定」をしていくしかないかなと・・・。

 

松山 良質の意志決定ですか?

石山 良質の意志決定をするためには、しっかりと「考える」ことです。でも、考えるといって、ウジウジしているだけの場合があります。部下に「何を考えたの?」と聞くとすぐに答えが出てきません。それは「考えた」のではなく、「ウジウジしていた」だけだと思うのです。
 「考える」というのは、「わかっていること」と「わかっていないこと」を並べて、どこがわかっているのか、どこがわかっていないのかを明確にして、わかっていることからどういったことが類推されるのか、それで何ができるのか、確度はどれぐらいあるのか、勝負していいのかだめなのか、それらをはっきりさせていく。そういったプロセスを経ることが「考える」ということだと思います

松山 ということは意志決定をする時には、野生の勘のような直観ではなく、数字やデータを積み上げて論理的に結論を出すということですね。

石山社長と松山石山 そうです。数字は嘘をつきません。私は直観タイプではないです。数字をもとにして結論を出して、その結論があっているのかどうかを、いろいろな立場にたって考えてみます。

 ファンドの立場から、社員の立場から、派遣さんの立場から、自分とは違った会社に関係のある人、ひとりひとりの立場にたって考えて、「この結論はどういった結果になるのだろうか、はたして理に適っているかな〜」と考えるわけです。ただ、最終的にその結論が正解かどうかというのは、100%はわからないわけです。

 でも、経営者は決断をしなくてはいけませんので、いつまでに決断するという時期をしっかり決めて、その時期を守るようにします。それまではどれだけ考えても迷ってもいいわけです。ただ、決断のタイミングを逃してはいけないと思います。決断するデッドラインを決めて、しっかりと決断をくだすことも良質な意志決定につながるのだと思います。

 リーマンショックの時も、「このままではまずいな」と予測をして、事前に意志決定をし対処できたから経営のダメージを最小限におさえられました。数字を見て、この先何が起きるのかを予測し、良質な意志決定をしていく。それが、経営者として何より大事にしていることです。


松山 ありがとうございます。数字は嘘をつかない、という言葉を経営者として大事にされているとのことですが、では、最後に、「リーダーの言霊」として、他に大切にされている言葉はありますでしょうか。

石山 これはよく笑われてしまうのですが、「愛と勇気」です。経営者として、独立時に社員に辞めてもらうなど、これまで厳しい決断をしてきました。この決断は勇気がなくてはできません。でも、それだけではだめです。辞めていただく社員の方に愛情をもって接しなければいけません。愛情がなければただのリストラマシーンです。

 実は、この「愛と勇気」は、佐川急便時代に身についたものです。先ほどお話ししたとおり係長になって、口には出しにくいような、ほんとにいろいろなことに対処してきました。

 佐川急便はマスコミに騒がれる不祥事を企業として起こしたこともあります。そうした環境下で、部下の面倒をみようと思ったとき、この「愛と勇気」が大事だな〜と、ほとほと痛感したのです。そうしたら部下が電卓に「愛と勇気」という言葉をテプラで貼ってくれましてね、その電卓を今も大事にしています。

 係長の頃、「この時間は、誰がどこで集配しているか」を私は把握していましたので、部下が働く現場に出向いて、ひとりひとりに声をかけていましたね。突然、私があらわれるので、みんなびっくりしていましたよ(笑)。でも、そういった愛情があってこそ部下がついてくるのだと思います。リーダーとして「愛と勇気」を大切にして、これからも経営をつづけていきたいと思います。

 

(インタビュー 2012年7月24日 株式会社プラウド 事務所にて) 

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