目次
1.どんな時にも意味がある。
20世紀最大の悲劇といわれた「ナチスの強制収容所」を生き延びた心理学者とえいえば、V・E・フランクルです。彼は自身の心理学を「ロゴセラピー」(Logotherapy)と名付けました。「ロゴ」は、ギリシャ語の「ロゴス」(logos)から来ていて、「ロゴス」の訳は「意味」になります。
フランクルは、「どんな時にも生きる意味はある」と考えた人です。そのことをクライアント(患者)に説くことで、「生きる意味」を失い絶望していた人たちを救い出していたのです。
どんな時にも意味がある。
辛い時にも、苦しい時にも、
眠れる夜にも、虚しい朝にも、
そこに深い意味がある。
あきらめない。
人生に無駄はないのだから…。
逆境にある時には、「どんな時にも意味がある」と言われてもピンとこないかもしれません。ただ、多くの逆境を乗り越えていった人たちは、「あの辛く苦しい体験にも意味があった」「無駄ではなかった」と、口にします。
今の辛い状況にも、何らかの意味があり、価値があると信じることが、逆境を乗り越えるための「心の力」になります。
2.逆境は神の恩寵。
与えられた人生の課題は、クリアしないと追いかけてくる。
よくそう言います。例えば、どうして「苦手な上司」がいて、それが原因で転職をしたら、次の会社でも同じようなタイプの上司だった。そんなことが実際にあります。ですので、逃げないことが、大事なポイントです。
逆境は神の恩寵。
辛い時に人間が磨かれ、
苦しい日々でたくましくなる。
逃げるより、受け入れて、
避けるより、迎え入れて、
そうして人は逆境をくぐり抜け、
ひとまわり大きな人間になる。
神様は乗り越えられない課題を与えない。
つまり、「自分の力で乗り越えられるからこそ今の逆境がある」と考えることができます。「恩寵」とは、「恵み」「慈しみ」のこと。もし、逆境を乗り越えて大きく成長できたのならば、辛く苦しい日々は「罰」ではなく、「恵み」「慈しみ」だったといえます。そう言える未来を信じて、突き進むのです。
3.「失敗の哲学」をもつ!
泣いて涙を流すと、脳をリセットする効果があり、心と体に好影響を与えることが、脳科学の分野で証明されています。泣くことは、効果的なストレス対処の手法なのです。
「涙を流すのは弱い人間がすること」。そんなイメージがありますが、逆境を乗り越える「心の強さ」はむしろ、「泣いてもいい」と自分を許すことで、身につけることができます。
涙は「氵」に「戻る」と書く。
辛い時には涙を流していい。
人は涙を流して、
本来の自分に戻っていく。
人は涙を流して、
本来の力を取り戻す。
「泣いたら、すっきりした!」という経験は多くの人がもっています。逆境で強いストレスがかかってくる状況で、自分なりのストレス対処法を持っていることが大切です。その中に「泣く」も入れておいてください。
泣くことは、決して、恥ずかしいことではありません。涙を流すことで「脳がリセットされる」と考えれば、逆境にあって積極的に取り組んでいいことです。
4.凡事徹底!
「凡事徹底」は、イエローハットの創業者鍵山秀三郎さんが、大切にしていた哲学です。鍵山さんは「トイレ掃除の神様」と呼ばれることもあります。トイレ掃除という平凡なことを徹底的にやることで、独自の経営哲学を創りあげてきた人です。
平凡なことを ひたすら積み重ねていく。
平凡なことでも 徹底して行えば、
やがて非凡な結果となる。
逆境をくぐり抜けようとあがく時、一発逆転できる何か特別なことをしようとしがちです。その反対に、誰にでもできる平凡なことを、徹底して行っていくことで、結果を着実に出していく考え方もあります。
5.出会いが運命を変える!
人生で出会うべき人とは、出会うべきタイミングで必ず出会える。
そんな言葉があります。逆境に陥った時も、自分の力でどうにかしようと長い間、苦しんでいたのに、ある人からアドバイスを受けることで、ガラリと状況が変わることもあります。人との出会い、ご縁が、やはり大切です。
人は人と出会い、
運命を変えていく。
たったひとりの人との出会いで、
人生の、ガラリと変わることがある。
逆境をなかなか乗り越えられない時、自分の独りの力で、なんとかしようとして努力が空回りしていることがあります。運命の流れを変えるのに、他人の存在は大きく作用します。
辛い逆境の時にこそ、出会いを意識して、よい縁をつくりたいものです。
6.今、ここに集中!
過去と未来を行った来たりして、いろいろと考えることを「マインド・ワンダリング」と言います。これにはネガティブな面とポジティブな面があります。
過去の出来事を反省し、未来に対して用意周到に準備をするのはポジティブな面です。一方で、過去を悔やんだり、未来を考え不安になるのは、ネガティブな面です。ネガティブな「マインド・ワンダリング」が続くと、心が疲れやすくなります。ですから、今に、集中することが大事なのです。
過去を悔やまない。
未来をあせらない。
すべきことは、
今、ここ、この瞬間にある。
今に集中。
今、ここに全力。
もう終わった過去を悔やむことなく、未来のことを考え不安になったりあせったりするより、「今できることに集中」です。
今自分にできることが、運命を変えていくのです。
7.とらえ方で現実が決まる。
同じ会社で同じ部署で同じ仕事をしていても、不平不満ばかりいう人もいれば、文句を言わずイキイキと働く人がいます。
二人の違いは、現実の受けとめ方、とらえ方にあります。
「仕事は自分を苦しめる時間でしかない」ととらえれば、当然、不平不満は大きくなります。一方で、「人は仕事を通して成長していける」と考えれば、辛い仕事であっても、前向きに取り組むことができます。
とらえ方ひとつ。
とらえ方で、現実が決まってくる。
逆境を、ただ苦しい時間ととらえるか。
自己を成長させてくれる
意味ある時間ととらえるか。
とらえ方ひとつ。
とらえ方で、未来が変わってくる。
現実はその人の「とらえ方」で決まってくるのです。
苦しい逆境にいても、明るさを失わない人がいます。自分の置かれた辛い状況に「何らかの意味がある」「これで自分も成長できる」と、逆境に価値を見い出すことで、心が折れることなく前に進んでいけます。
8.「成長」という「成功」。
現実は時に、人を打ちのめします。逆境に陥ると、何もかも失敗してしまったと気分の重くなる日々が続きます。
しかし、「表があれば裏がある」です。失敗の裏には成功があり、失った時には、何かを得ているものです。マイナスとマイナスをかけあわせるとプラスになるように、逆境の体験も、やがてプラスの体験だったと振り返る日が来ます。
成長という成功がある。
辛く苦しい逆境の日々は、
決して失敗の時間ではなく、
自己成長がなされる
成功の時間でもある。
闇があれば必ず光がある。
成長という光を信じて
一歩一歩、前へ進んでいこう。
生きている限り失敗はあります。誰もが夢を実現できるわけではありませんし、思い描いた成功を手にするわけでもありません。
そうした思い通りにならない現実があるから、人は謙虚になれ人格を高め、人として成長していくことができます。
人生に無駄はありません。逆境を乗り越えた成長した時、人はそのことを知るのです。
(文:まっつん)
ここで紹介した言葉を、音楽に乗せて映像化しました。勉強や仕事を始める前に、グッとモチベーションを上げたい時や、やる気がなかなか出ない時など、ぜひ、見てみてください!