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愛情ホルモン「オキシトシン」その効果と増やし方

コラム148愛情ホルモン「オキシトシン」その効果と増やし方のアイキャッチ画像

 オキシトシン(oxytocin)とは、脳の視床下部から分泌されるホルモン。人に優しくしたり、人から優しくされたり、人間同士の愛情が深まる時に分泌され幸福感を高める。そのため「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「信頼ホルモン」と呼ばれる。1906年、ヘンリー・デール博士が発見した。この発見によりデール博士は、ノーベル生理学・医学賞を受賞している。

 オキシトシン(oxytocin)は、ギリシャ語の「okys」(早い)と「tokos」(出産)を組み合わせた言葉。デール博士は、女性の妊娠プロセスを促進するホルモンとしてオキシトシンを発見している。

 発見当初は妊娠と関係するため、女性特有のものと考えられていたが、男女共通してオキシトシンは分泌されることがわかっている。感情を安定させる「セロトニン」やモチベーション(やる気)を高める「ドーパミン」の分泌を促進させる作用があり、オキシトシンが心身に及ぼすメリットは大きい。

 オキシトシンを増やすことは、日常生活の中で行うことができる。

 オキシントシン研究の第一人者である高橋徳医師の著『人のために祈ると超健康になる!』(マキノ出版 )『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』(アスコム)を参考に、その効果と増やし方についてまとめる。 

 

オキシトシン4つの働き

  1. 「セロトニン」「ドーパミン」を誘発する
  2. ストレスホルモンの分泌を抑える
  3. G A B A(ガンマアミノ酸)の分泌を促す
  4. 「エンドルフィン」を分泌させ痛みを和らげる

❶「セロトニン」「ドーパミン」を誘発する

 「オキシトシン」には、人の生命活動に欠かせない「セロトニン」「ドーパミン」の分泌を促進する働きがあります。

 「セロトニン」は、人間の感情を安定させ、幸せな気分を高めます。
 「ドーパミン」は、人のモチベーション(やる気)と関係し、集中力・行動力を高めます。

まっつん
まっつん

「オキシトン」「セロトニン」「ドーパミン」は、人間の幸福感と深く関係するので、3つをまとめて「幸せホルモン」と呼ぶこともあります。

3つの幸せホルモン「オキシトシン」「セロトニン」「ドーパミン」

 「セロトニン」が少なくなると、感情的に不安定になります。落ち込みやすくなったりキレやすくなったり、感情にまつわる問題を引き起こしやすくなります。うつ病患者の脳内では、セロトニンが減少しています。

 睡眠の質を高めるホルモンは「メラトニン」です。「メラトニン」は「セロトニン」を材料としています。ですから、「セロトニン」が分泌されることで「メラトニン」ができて、よい睡眠につながります。

 「セロトニン」の分泌を促進する「オキシトシン」は、睡眠の質を高める効果をもたらします。

 「ドーパミン」は、「やる気ホルモン」とも呼ばれます。人間のモチベーション、意欲と関係しているため、ドーパミンが適切に分泌されることで、仕事や勉強などに前向きになり、目標を達成することができます。人生に対してポジティブになれるのはドーパミンのおかげです。

 ただし、ドーパミンの過剰な分泌は、アルコール、喫煙、ギャンブルへの依存を生み出すこともあります。そこで、ドーパミンの出過ぎをおさえてくれるのが「セロトニン」です。

 「オキシトシン」「セロトニン」「ドーパミン」は、相互作用しながら心身と人生を健やかにしてくれます。

❷ストレスホルモンの分泌を抑える

 人間は、ストレスにさらされるとCRF(cortictropin releasing factor)というホルモンが、「コルチゾール」「ノルアドナレナリン」などのストレスホルモンを分泌させます。

 「コルチゾール」は、血糖をあげたり、体の炎症やアレルギー反応を抑えたりします。「ノルアドレナリン」は、血圧を上昇させ心拍数を上げる作用があります。そうすることで、ストレス状況に人間の体を適応させようとします。

 一時的なストレス状態では、「コルチゾール」「ノルアドレナリン」がバランスよく分泌され心身に悪影響はありません。しかし、慢性的なストレス状態になると、2つのストレスホルモンが過剰に分泌されます。すると、うつ病やパニック障害を発症しやすくなります。

 この過剰分泌を抑制してくれるのが「オキシトシン」であり、「オキシントシン」によって分泌が促進される「セロトニン」です。

 オキシトンシンは心のバランスを取るのに欠かせないホルモンといえます。

❸ GABA(ガンマアミノ酸)の分泌を促す

睡眠中の女性 快眠のイメージ写真

 「オキシトシン」は、心の健康に貢献するGABA(ギャバ)の分泌を促進します。

 GABA(ギャバ:gamma-aminobutylic acid)とは、1950年、哺乳類の脳から発見されたアミノ酸の一種です。

 GABA(ギャバ)には、興奮した神経を鎮め、不安感をおさえる働きがあります。また、ノルアドレナリンの分泌を抑制し血圧を上昇させないようにします。

 現在、高血圧や不眠症に効果があるとして、「GABA」を配合した健康食品が販売されていますね。

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 ノルアドレナリンは、心拍数をあげる作用があります。ノルアドレナリンの過剰分泌が、不安感・恐怖感の強くなるパニック障害へとつながることもあります。

 「オキシトシン」は、体内のGABA(ギャバ)の分泌を促進し、ストレスホルモンを抑えてくれます。

❹「エンドルフィン」を分泌させ痛みを和らげる

 「オキシトシン」は、痛みを軽減させる「エンドルフィン」の分泌を促進します。

 「エンドルフィン」は、神経伝達物質のひとつで「快感ホルモン」とも呼ばれます。「体で作られるモルヒネ」を意味し、痛みを和らげる強い効果があります。幸福感、満足感、高揚感をもたらすのも「エンドルフィン」の特徴です。

 マラソンランナーが走っていると、急に、なんとも言えない気持ちよさ・多幸感を覚えることがあります。「ランナーズ・ハイ」現象です。この現象を引き起こす要因は諸説あり、そのひとつが「エンドルフィン」によるものです。

まっつん
まっつん

 瞑想によって、慢性的な痛みが改善する多くの研究結果が報告されています。瞑想による深い呼吸は、オキシトシンを分泌させます。その結果、エンドルフィンが分泌され痛みが軽減していくのではないかと考えられています。

 オキシトシンは「体の痛み」にも効果があるのです。

オキシトシンの効果

 オキシトシンの「4つの働き」から高橋徳医師は、『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』(アスコム)の中で、次のような効果があるとしています。

  • ストレスから解放される:ストレスホルモンの過剰分泌を抑えることで、ストレスに強い体をつくる
  • 胃腸が丈夫になる:ストレスホルモンの胃腸へのはたらきかけを抑えて、胃腸の活動を改善する
  • 自律神経を整える:副交感神経神経のはたらきを高めて、自律神経のバランスを調整する
  • 血圧を下げる:血管内で一酸化窒素を合成して、血管を広げる
  • 動脈硬化を防ぐ:血流をよくして、動脈硬化の原因となる血栓ができにくくなる
  • 心臓疾患を防ぐ:ストレスに対する過剰な反応を抑えて、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症などの発症リスクを低くする
  • 免疫力がアップする:自律神経のバランスを整えることで、自己治癒力が高まる
  • 糖尿病を防ぐ:インスリンが機能する体内環境をつくって、血糖値を下げる
  • 脳の疲れをスッキリ解消する:メラトニンの材料となるセロトニンの分泌を促して、いい睡眠で脳の疲れをとる
  • 便秘が解消する:交感神経と副交感神経のバランスをとることで、便通がよくなる
  • 体の痛みがやわらぐ:脳内麻薬であるエンドルフィンの分泌を促して、痛みをやわらげる
  • 認知症を予防する:生活習慣病を予防することで、アルツイハイマー型認知症のリスクを軽減する
  • 共感力が高まる:相手を思いやる気持ちが生まれることで、相手に対して共感できるようになる
  • 人を信頼できるようになる:相手に対する信頼感が高まることで、より人間関係が深まる
  • 人に対してやさしくなる:幸せホルモンの分泌を促して、相手にやさしくなる行動が強化される

 以上のように、オキシトシンの働きから心身に好影響を及ぼす多くの効果が認めれています。

 3番目に「自律神経を整える」とあります。「自律神経」の乱れは「万病のもと」です。オキシトシンの働きで「自律神経」が整っていくのであれば、健康によい多くの効果があることも納得できます。

 では、オキシトシンは、どうすれば増えるのでしょうか。

 次からオキシトシンの増やし方についてふれていきます。

オキシトシンを増やすための2つのポイント

 オキシトシンは増やすポイントとして、大きく次の2つがあります。

オキシトシン を増やす方法

❶五感に気持ちのよい刺激を与える
・視覚(美しいものを見る)
・聴覚(好きな音楽を聴く)
・嗅覚(アロマなど心地よい香りをかぐ)
・味覚(美味しいものを食べる)
・触覚(スキンシップ・肌ざわりの良いものにふれる)


❷人と交流する:オキシトシンは他者に影響する唯一のホルモン
・オキシトシンは、人と人が、「心」と「体」で「ふれあう」ことによって分泌される。
 1)心のふれあい
 
 ・愛したり、愛されたり
 ・やさしくしたり、やさしくされたり
 ・信頼したり、信頼されたり
 ・応援したり、応援されたり
 心地よい感情をもち、他人と交流させることでよりオキシトシンが増える。  

 2)体のふれあい
 ・ハグしたりマッサージしたり、スキンシップによってオキシトシンが増える。

五感に気持ちのよい刺激を与える

 自分がそれをすると「気持ちが良い」「心地がいい」と感じられることをすれば、様々なことによってオキシントシンを分泌させる一定の効果をえられます。

 ウォーキングやジョギングしながら、自然の風景を眺め(視覚)、鳥のさえずりを聞いたり、アイフォン で好きな音楽を聴いたりして(聴覚)、木々、草花の香りをかぎ(嗅覚)、季節の風に頬をなでられる(触覚)。そして喉の渇きを潤すおいしいドリンクを飲む(味覚)。

 太陽の光はセロトニンの、体を動かすことはドーパミンの分泌を促進します。

 ですので、天気のよい日に、外で運動することは、五感の全てを刺激することになり「3つの幸せホルモン」を増やすことになります。


人と交流する:善い思いをもって、善いことをする

「❷人と交流する」は、人に対して何か善いことをして、「心」と「体」を交流させることです。

1)心のふれあい

  • 電車の中で、お年寄りに席を譲る。
  • 子どもが迷子になって泣いていたら助けてあげる。
  • 職場で悩んでいる人がいたら相談にのってあげる。
  • ゴミ拾いのボランティアに参加する。
  • 被災地・困っている人のために募金する。etc.

 誰かのために善いことをすると、自然と心が交流します。それは自分にとっても善いことです。

 「オキシトシンは他者に影響する唯一のホルモン」と書きました。例えば、お年寄りに席を譲ったとして、相手が「ありがたい」と感じたら、相手にオキシトシンが分泌されます。そして、自分自身が「善いことができた」と思えば、自分にもオキシトシンが出ます。

 他者のオキシトシンを、自分の善行によって増やすことができるホルモンは、オキシトシンだけです。

2)体のふれあい

 愛情をともなったスキンシップをすれば、心と体が互いにふれあいます。人を愛することでも、人から愛されることでもオキトシンが分泌されます。「人に優しくする、人から優しくされる」「人を信頼する、人から信頼される」。そうしたポジティブな感情を抱くことが、オキシトシンを分泌させます。

 昨今、子育てでも、スキンシップの重要性が強調されていますね。赤ちゃんの体をマッサージしたり、2〜5歳の幼少期は抱っこをしてあげ、できるだけスキンシップをとります。子どもたちは人(親)とのスキンシップを通して、オキシトシンを分泌させ、安心感を覚え健全な心を育んでいきます。

 また、子どもを思いやることで親にもオキシトシンが出て愛情が深まっていきます。おじいちゃん、おばあちゃんが、お孫さんのことを考えたり、実際に会ったりした時に、無条件で「かわいい」と感じ心が「ほっこり」するのは、オキシトシンの力と考えられます。

「善き思いをもって、誰かを思い、善きことをする」

 「オキシトシン」を増やすマインドセットは、まさにこれです。人間の心や脳は、善い思いをもち、誰かのために善いことをすることで、健康になるようにつくられているわけです。

 善い思いとは、「愛」「慈しみの心」「やさしさ」「思いやり」といえます。高橋医師は、こう書いています。

「愛」は一方通行の自己犠牲ではありません。「人を思いやる」という情感がオキシトシン をふやし、健康の維持につながります。加えて、与えた(施した)思いやりと質・量ともにほぼ同等の思いやりが、相手から返ってくることになります。

『人のために祈ると超健康になる』(マキノ出版)

オキシトシンを増やす5つの方法

 オキシントシンを増やすのに「人との交流」は大切なポイントです。ですが、誰もがいつでも「人と交流」できるわけではありませんね。

 そこで、日常的にひとりでもできる「オキシトシン」を増やす具体的な方法を5つご紹介していきます。

【1腹式呼吸〈3分〜10分

 腹式呼吸をすると、脳の前頭葉を介して「オキシトシン」の分泌を促進することがわかっています。

 腹式呼吸は、息を吐きながらお腹を「へこませ」、吸いながらお腹を「ふくらませ」ていく呼吸法です。

 呼吸は鼻呼吸が基本です。

 ただ、鼻がつまって呼吸できない時には、口呼吸でも構いません。立っても座っても、どちらでもO Kです。ゆっくりと自分のペースで行なっていきます。

  • 息を吸う時は自然に、吐く時により意識的になります。
  • 息を吸う時間より、吐く時間を長くします。
  • 自分のペースで「心地よさ」「気持ちよさ」を大切にする。

 オキシトシンが出るには「心地よさ」「気持ちよさ」が大切です。

 「吸う時に○秒、吐く時に○秒」。そう呼吸の秒数を決める場合もあります。ですが秒数を決めることで「しばられる」感じがあって不快感を覚える人もいます。であれば、ご自分なりのペースで「ゆっくり」と「心地よさ」を大切にして呼吸していきます。

腹式呼吸をする女性のイメージ写真

 お腹の「ふくらみ」「へこみ」がわかりにくい人は、写真のようにお腹に手を当ててみてください。手を当てることで、「ふくらみ」「へこみ」の感覚が、わかりやすくなります。

 3分だけでもやってみると、心のスッキリすることがわかります。10分できればより効果的です。

 腹式呼吸をすると横隔膜のすぐ側を通る自律神経が刺激されます。その結果、副交感神経が優位になります。

 副交感神経は、リラックスできている時に活動が高まります。緊張したりイライラしたりしている時、交感神経が優位になっています。交感神経優位が長く続くと、心が疲れてしまいます。

 寝ている時、人は自然と腹式呼吸をしています。

 深くゆっくり呼吸をすることで、交感神経の活動をおさえ、副交感神経を優位にしリラックスすることできます。その時、オキシトシンも分泌され自律神経を整えていくことができるのです。

【2慈悲と慈愛の瞑想〈5分〜10分

 ゆっくりと腹式呼吸をしながら瞑想するだけでもオキシトシンは出ますが、ここでは一歩踏み込んで、自分と他人を思いやる「慈悲と慈愛の瞑想」(以下、慈愛の瞑想)をご紹介します。

 オキシトシンが出るのは、「愛」や「慈しみの心」を抱いている時でした。それはひとりでいる時でも可能なはずです。誰かのことを思い、幸せになって欲しいと思う時、人の心は「愛」「慈愛の心」で満ちています。

 欧米の心理学者は「慈愛の瞑想」LKM(Lovingkindness meditationとして研究を進めています。高橋医師の著によると、LKMによって「慢性の腰痛」「心理的苦痛」「怒りの感情」の緩和されたことが報告されているそうです。

 高橋医師は、これらの緩和作用にオキシトシンが関与していると分析しています。

LKMにより、前頭葉や視床下部をはじめ、さまざまな分野で脳の神経活動が活発になっていることがわかっています。オキシトシンは、能動的に他人を思うことで分泌されます。こうして分泌されたオキシトシンが個人のストレス反応をおさえ、痛みを減少させる作用があることなどを考え合わせれば、LKMによる有益な効果は、オキシトシンを介した現象であると考えることができるでしょう

高橋徳. 人のために祈ると超健康になる! (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1086-1088). Kindle 版.

 筑波大の論文「Loving-kindness meditationの研究動向と今後の発展」は、LKMについてより詳しいので、ご興味のある方は、クリックして目を通してみてください。

瞑想する女性のイメージ写真

 「慈愛の瞑想」は、マインドフルネス瞑想を学ぶ場でも、よく実践されていますね。次のような言葉を胸の内で唱えながら瞑想をします。

セルフ

私が幸せでありますように。
私の悩み苦しみが無くなりますように。

私の願い事が叶えられますように。
 
私の親しい人々が幸せでありますように。
私の親しい人々の悩み苦しみが無くなりますように。

私の親しい人々願い事が叶えられますように。
 
生きとし生けるものが幸せでありますように。
生きとし生けるものの悩み苦しみが無くなりますように。

生きとし生けるものの願い事が叶えられますように。

 上の言葉は、「慈愛の瞑想」の一部であり、様々な文言があります。ネットで検索していただき、自分にしっくりくるものを選んでください。

 ポイントは、「私」から「身近な人」そして、「生きとしいけるもの」へと「慈しみの心」を大きく広げていくところです。「私」を入れることで、自分を癒す「セルフ・コンパッション」の効果もあります。

まっつん
まっつん

 私が行う瞑想セミナーでも、「慈愛の瞑想」を行なっています。参加者の方から、『「私」「私の親しい人」まではいいんだけど、「生きとしいけるもの」になると、なんだか嘘っぽく感じる』といった感想をよく頂きます。慈愛の瞑想は「慈しみの心」(コンパッション)を育てていく瞑想です。最初やってみて違和感を覚えてもまったく問題はなく、むしろその違和感は当然のことといえます。繰り返しj「慈愛の瞑想」をすることで、「慈しみの心」(コンパッション)が育まれ、しっくりくるようになります。

【3お香・アロマ

アロマセラピーのイメージし写真

 オキシトシンを分泌されるポイントは、五感を心地よく刺激することでした。

 「気持ちいいな〜」「あ〜癒される」

 そう心地よくなっている時、オキシトシンが分泌されやすくなっています。

 日本を含むアジア圏には、古くから「お香」をたく文化がありました。西欧での「アロマ・セラピー」も、古来からのヒーリング技法として定着し、医療の現場でも活用されています。

 好きな香りをかぐことには、人を癒す力があるのです。

 様々なアロマがあり、それぞれに様々な効能がありますね。お風呂に入れたり、枕元でアロマの香りを漂うにすれば、リラックス効果があります。

 「あ〜いい香りだな〜」

 心がほぐれ癒しを感じられている時、オキシトシンがその癒しを手助けしています。

【4自分に感謝しながら「セルフ・マッサージ」

 オキシトシンの第一人者高橋医師は「鍼灸医」でもあります。オキシトシンの分泌を促進するツボを2つ紹介しています。

 手にある「合谷」と足にある「足三里」です。

オキシトシンを増やすツボ

①合谷(ごうこく):人差し指と親指の骨が交差する場所から少し前の場所。「万能のツボ」と呼ばれ、頭痛、肩こり、不安感などの軽減に効果を発揮する。
 参考記事:「セルフツボ押し入門 「合谷」を押して血流を活発にする」(日経ウーマン)

②足三里(あしさんり):足の外側で膝のお皿の下にあるくぼみから指4本分下のあたり。「腹痛、下痢、嘔吐など胃腸の不調、膝痛や足のしびれなど、足のトラブル、歯痛、歯槽膿漏などに効く」とされている。
 参考記事:「夏を乗り切る胃腸のツボ<足三里>」(救心HP)

 「足三里」のツボを探すのが少し難しいですが、「合谷」はわかりやすいです。

 ツボは疲れた時に押すと、痛さを感じることが多いですね。強過ぎず弱過ぎず、ゆっくりと押します。ツボを押して痛みがある時、しばらく押していると、痛みが軽減していくのがわかります。

 お風呂に入りながら、「合谷」を押すのはいかがでしょう。アロマも入れれば一石二鳥ですね。

感謝の念がオキシトシンの働きを強める

 「感謝の念」は、オキシトシンの働きを強めます。「マインドフルネス」の流れから生まれた「セルフ・コンパッション」(慈しみの心で自分に優しく接する)でも、自分に感謝することを大切にします。

「今日も1日がんばった。ありがとう」

 入浴時などに、そう自分に声をかけながらツボを押してみてください。足三里が難しければ、合谷だけでも。

感謝しながら「セルフ・タッチ」

 ツボを押すだけでなく、素肌を自分の手で優しくなでる「セルフ・タッチ」もヒーリング効果があります。

まっつん
まっつん

 ケガの処置をすることを「手当てする」といいますね。「手を当てる」ことは人を癒します。ツボを押すのが苦手であれば、「セルフ・タッチ」をされてみてください。「ありがとう」と声をかけつつ、体をゆっくり手で優しくなでることで、心と体が癒されていきます。

 自分に対する「感謝の念」も、「愛」であり「慈しみの心」であり「思いやり」です。オキシトシンと深く関係する人の感情です。

【5朝、太陽の光を浴びながら歩く(30分)

 メンタルの健やかさを維持するのに、多くの医師が「朝の太陽の光」を浴びることをすすめています。なぜなら、「セロトニン」(幸せホルモン)が分泌されるからです。

 参考記事:「精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣」(ダイヤモンド・オンライン)

 セロトニンと同様に、朝の太陽の光を浴びると、「オキシトシン」も出やすくなる脳内環境になります。

 セロトニンがより分泌されるのは一定のリズムで歩くことです。

 オキシトシンの場合は、一定のリズムにこだわらなくてよく、愛情をもって誰かのことを思ったり、感謝したりするとよいとされています。

 家族の健康を願ったり、職場での仲間の成功を祈ったり、誰かの幸せ・成功を思い描きながら歩くとよいでしょう。

 瞑想には「歩く瞑想」があります。「慈悲と慈愛の瞑想」の言葉を胸の内でつぶやくのも効果的です。

まとめ

 オキシトシンのメリットに着目して書いてきましたが、メリットがあればデメリットもあります。

 オキシトシンのデメリットは、「可愛さ余って憎さ百倍」という言葉がそれを表現しています。互いの感情的な「心の絆」を強めるが故に、それが叶わなかった時に、人を攻撃的・排他的にさせるのです。

 産後の母親(妻)が、育児に協力してくれない夫に対してイライラを募らせるのは、オキシトシンの作用です。この時、母親(妻)の育児の大変さに夫が、耳を傾けるだけでも、イライラは軽減する傾向があります。

 『 NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?2~母と“イクメン”の最新科学~」』(2016年3月27日放送)のサイトで、オキシトシンと夫婦の子育ての関係についてふれていますので、参考にされてください。

 オキシトシンのデメリットとされる「攻撃性」「排他性」は、「夫婦の絆」を維持するために作用しているともいえます。

 「喧嘩する夫婦ほど仲がよい」ともいいますね。

 オキシトシンのデメリットを理解しつつ、メリットを受け取りたいものです。

 誰かに対して健全に愛情を深めることは、こころ豊かな人生をもたらしてくれるのですから…。

(文:松山 淳


【参考文献】

人のために祈ると超健康になる!』(高橋徳 マキノ出版 )
『自律神経を整えてストレスをなくす オキシトシン健康法』(高橋徳 アスコム)