2024パリ五輪 バスケットボール男子日本代表(AKATSUKI JAPAN)のメンバー(12名)が発表された。現役NBA選手の八村塁がチームに合流し、五輪での活躍が期待されている。八村選手を筆頭に、バスケ日本代表選手の名言を紹介していく。
【🇯🇵監督(ヘッドーコーチ)】
トム・ウェイン・ホーバス(Thomas Wayne Hovasse)アメリカ出身
【🇯🇵選手12名】
#2 富樫 勇樹(PG)
#4 ジェイコブス 晶(SF)
#5 河村 勇輝(PG)
#6 比江島 慎(SG)
#7 テーブス 海(PG)
#8 八村 塁(PF)
#12 渡邊 雄太(SF)
#18 馬場 雄大 (SF)
#24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF)
#30 富永 啓生 (SG)
#34 渡邉 飛勇 (C)
#91 吉井 裕鷹(SF)
※ポジション=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
目次
八村類の名言:苦しいことを乗り越えて
八村類選手は、高校時代、全国大会で3連覇を成し遂げ、その後、ゴンザガ大学に進学します。大学卒業後、2019年、NBAのドラフト会議で指名され「ウィザーズ」に所属しNBAプレイヤーとなりました。2023年1月「レイカーズ」へ移籍し、NBAでキングと呼ばれるレブロン・ジェームズと共に試合出場を果たしました。
その八村選手が、レイカーズでの出来事をふりかえり、『Number Web』にてインタビューに答えています。
八村選手は、東京五輪の代表に選ばれましたが、日本代表は海外勢との実力差に苦しみ、1勝もすることができず成績は全敗でした。また、チーム「ウィザーズ」に戻ったものの負けることの多いチーム情勢でした。さまざまなことが重なり、八村選手は半年間、チームから離れることとなります。メンタルの問題だったといわれています。
そうした苦しい時期を乗り越えてきた八村選手は、こういっています。
「苦しいことを乗り越えて優勝するとか、自分で達成感を出すことによって、楽しさっていうのが僕にわいてくると思う。(NBAに入ってからの)この4年間も、ずっと見るとすごい苦しかったときも多かったと思うんですけど、最終的にこう振り返ってみると楽しかったなっていう感じなので、そういうのがやっぱり大事じゃないかなと思います」
禍福は糾える縄の如し。
(かふくはあざなえるなわのごとし)
中国の古典に、そんな言葉があります。辞書を引くと、こうあります。
「わざわいが福になり、福がわざわいのもとになったりして、この世の幸不幸はなわをより合わせたように表裏をなすものであるの意。」(精選版 日本国語大辞典 小学館)
本当にその通りであり、八村選手のいっていることと通じるものがあります。
人生には、悩みを抱え苦しい日々が続くこともあります。八村選手も半年間、バスケができませんでした。でも、そうした辛く苦しい「わざわいの時期」を乗り越えて、達成感を覚え、やがて楽しさという「福」に変化していくものです。
だから、苦しい逆境におちいった時には、八村選手がいってくれているように、「今の状況は必ず変化していく」「この苦しい状況を乗り越えた先に必ず手にできるものがある」と信じることが大切ですね。
トム・ホーバス監督の名言:全員がMVP
トム・ホーバス監督(ヘッドコーチ)は、1967年生まれで、アメリカ出身の元NBA選手です。NBAでの出場機会は少なく、そのキャリアのほとんどは日本リーグです。トヨタ自動車ペイサーズ(現:アルバルク東京)時代には、4年連続で得点王になっています。
2017年からバスケットボール女子日本代表の監督(ヘッドコーチ)に就任しました。東京オリンピック(2020年)では、決勝に進出し、強豪アメリカに敗北したものの銀メダルに輝きます。2021年、バスケットボール男子日本代表の監督(ヘッドコーチ)に就任します。
2023年に開催された第19回FIBAバスケットボール・ワールドカップでは、決勝ラウンドへ進めなかったものの、アジア1位となりパリ五輪の切符を手にしました。
試合中のハーフタイムなどで声を荒げて選手に檄を飛ばす顔や姿を見ると、「鬼軍曹型」の怖いリーダーをイメージさせます。しかし、選手を「信じる」(belive)ことがホーバス監督の「哲学」であり、仏のような温かい心の持ち主でもあります。
「鬼」と「仏」の両立していることが、トム・ホーバス監督ならではのリーダーシップスタイルといえます。
女子日本代表を率いて東京オリンピックで銀メダルを獲得した後、2021年に、トム・ホーバス監督は、元ラグビー日本代表監督(ヘッドコーチ)のエディー・ジョーンズと対談をしています。
その対談の中でも、次の通り、「信じる」ことについてふれていました。
オリンピックでうれしかったのは、何人かの選手が「私が自分自身を信じるよりも、トムがより私を信じてくれた」と言ってくれた時でした。
『Number Web』(2021エディージョーンズとの対談)
初出:Sports Graphic Number1038号(2021年10月21日発売)
『鬼コーチ対談 エディー・ジョーンズ×トム・ホーバス「日本人よ、“悪魔”を解き放て!」』より
トム・ホーバス監督の「信じる哲学」については、W杯(2023)に出場した渡邊雄太選手も、記者会見やインタビューで度々、口にしていました。
監督のいない場面でも選手たちが、口にするのですから、それだけトム・ホーバス監督の「信じる哲学」が、口先だけに終わらず、選手たちの心に届いているといえます。
2023年のW杯が終了した後、沖縄で日本代表選手たちが集合しての記者会見が行われました。その席で、トム・ホーバス監督は、次の言葉を国しました。
「本当にやりました。長い間一生懸命に練習して、このメンバーと一緒にプレーすることができて感謝します。最高です。全員がMVPです。」
アジア1位。五輪の切符を48年ぶりに自力で獲得した歴史的快挙があってこそ口にできる言葉です。
「全員がMVPです。」
ホーバス監督の心に、「鬼」だけでなく「仏」が宿っていることを確かに証明する名言です。
富樫勇樹の名言:もっと上を目指す
2023年W杯での主将(キャプテン)は、富樫勇樹選手でした。Bリーグの千葉ジェッツではキャプテンを務めるものの、本人は「キャプテンの柄ではない」と、マスコミのインタビューで口にしています。
「自分は“すごくリーダーシップがある”ほうではないと思います。一応キャプテンとして何シーズンかやらせてもらっていますけど、いわゆるキャプテンの仕事をしているわけではありません。コートの中で気づいたこと、自分が思ったことを発しているだけです」
『「リーダー向きではない」と自認する富樫勇樹』(Sport Navi 2023/5/18)より
ホーバス監督は、冨樫選手が「自分はキャプテン向きではない」と自己認識していることを承知で、冨樫選手を日本代表チームのキャプテンに任命しました。
冨樫選手の父「富樫英樹」さんは、第19回FIBAW杯(2023)で活躍する息子の姿を見て、こう口にしています。
「よく声を出し続けてるなと。あんな子じゃないのにね。親とすればトムさんとかスタッフに感謝ですよね。キャプテンの柄じゃないのに、キャプテンにしてくれたというのは人間として成長できたという感じはしますね」
『バスケW杯 富樫勇樹選手の活躍に父親や後輩たちは…「我々に分からない代表キャプテンの重圧」』(テレビ新潟 2023/9/4)より
冨樫選手は新潟県出身です。いわゆるバスケットボール・エリートで、中学時代に全国制覇を成し遂げ、高校はアメリカに留学(モントローズ・クリスチャン高校)しています。NBA選手を輩出しているバスケの名門校です。
高校を卒業すると、日本に帰国し、秋田ノーザンハピネッツに入団し活躍しました。2014年にNBAに挑戦し、レジェンズに入団します。約1年間、海外プレーした後、2015年9月千葉ジェッツに入団し、今に至ります。
父親から「あんな子じゃないのにね」と言われ、本人もキャプテン向きではないと自認しつつも、FIBAW杯前のインタビューではリーダーシップをとることを名言している。
「世界と戦うチームを作っていくうえでのリーダーシップはとっていかなければいけないと思っています。プレー面では、ポイントガードとしてドリブルで相手のディフェンス網を切り裂いて、自分でレイアップシュートを打つか、パスを出してシューターを生かすポジションなので、スピード感あふれるプレーを見ていただけたらうれしいですね」
『富樫勇樹が考えるバスケ男子日本代表の課題 自身は「リーダーシップはとっていかなければいけない」』(Sportiva 2023/8/19)より
「自分はリーダー向きではない」と思っていてもいいのです。そう思いつつも、リーダーとして「やるべきことをやる」のがリーダーというものです。
地位が人をつくる。
そんな言葉があります。任されたポジションを必死に取り組んで行く内に、いつの間にか成長しているのが人間というものです。
冨樫選手は、W杯前に「個人としての思いもありますが、日本の男子バスケの未来のためにも、ワールドカップで勝って、来年のパリオリンピックの出場権を何としても手にしたいと思っています」(Sportiva 2023/8/19)と語っていました。
そして、ホーバス監督のもと、その言葉を実現することができました。W杯終了後のインタビューで冨樫選手は次の言葉を述べています。
「まだまだこれからで、日本のバスケットが目指すところは、ここではないと思います。もっと上を目指していけるように頑張ります」
夢を手にした冨樫選手は、さらなる高みに意識を向けています。
渡邊雄太の名言:みんなが成長して戻ってこられたら
FIBAW杯でふたりの日本人NBA選手の参加が期待されていました。ひとりは八村類選手で、もうひとりは渡邊雄太選手です。八村類選手は日本代表に選出されながら自身のキャリアを考えW杯への参加を辞退しました。バスケットファンにとって、ショックの大きいニュースでした。
それに並ぶインパクトのあったニュースが、渡邊雄太選手の日本代表引退宣言です。パリ五輪の切符を手にすることができなければ日本代表を引退する、と名言したのです。
この発言について、渡邊雄太選手は、『 Number Web』で、こう語っていました。
「内々で話しているだけだったらうやむやになって、結局、『じゃ、次もお願いします』みたいになることだってあると思う。公にすることによって、全員の逃げ道をなくしたみたいな感じは、正直あります」
<独占告白>渡邊雄太に聞いた”代表引退宣言”の覚悟「本気ですか?」「本気です」ホーバスHCのメッセージに返信しなかった理由とは(Number Web 2023/8/23)
退路を断つ。
人が覚悟を定める時にするひとつの手法です。この宣言は渡邉選手が考える以上に、チーム結束させる力になっていたようです。
「NBAでも、自分を崖っ縁に追い込んだ時にうまくことが運び出して、いい結果が生まれてきた。今回も逃げ場を失えば、逆にうまくいくと思った。そんな感じで公で言わせてもらった部分もあった」
河村勇輝選手は、W杯(2023)フィンラインド戦で18点差をひっくり返して勝利した試合の後、「雄太さん、まだ引退させませんよ」と話しかけたといいます。
国際大会で欧州勢に初めて勝利したフィンラインド戦では、河村勇輝(PG/横浜ビー・コルセアーズ)、富永啓生(SG/ネブラスカ大)が覚醒し、大活躍を果たしました。
フィンランド戦で、唯一のNBA選手として期待された渡邉選手は、前の試合(ドイツ戦)の疲れのためか、ディフェンスに力を削がれたためか、シュートは2得点に終わりました。しかし、チームの大黒柱には、メンバーの精神面を支える大切な役割があります。
3ポイントシュートを得意とする富永啓生(SG/ネブラスカ大)選手は、オーストラリア戦で厳しいマークにあい10本放った3Pシュートの成功率は0%でした。
この時、渡邉選手は、富永選手にアドバイスをしました。富永選手が、「報道ステーション」(「報道ステーション」2023年9月6日放送分)でのインタビューで答えています。
「オーストラリア戦は、人生でないぐらいスリーポイントが入らない試合でした。それこそ雄太さんがオーストラリア戦の後、カリー選手がスリーポイント10分の0をたたいた試合があって、その次の試合でNBA記録を塗り替えたっていうのがあって。『それがカーボベルデ戦で起こるぞ』って、ずっと言ってくれてて」(富永選手)
『バスケ日本代表・富永啓生 大活躍の裏に“渡邊雄太の言葉” 攻守プレーに進化』(テレ朝News 2023/9/6)
富永選手にアドバイスしたことが現実になりました。第5戦カーボベルデ戦で、富永選手の3Pシュートの成功率は驚異の75%(6本/8本)となったのです。
活躍するか否かではなく、その人がコートに立っているだけで、「何とかなる」とメンバーに思わせるのが、大黒柱です。渡邉選手は、現役のNBA選手という実績を背景に、W杯前から、この大黒柱の役割を果たし続けました。
その役割を果たす原動力となったのが、「日本代表引退宣言」だったかもしれません。FIBAW杯(2023)終了後、渡邉選手は、こう語っていました。
「このメンバーで、ずっとまだまだバスケをやっていたい。でも、パリに行くことができて、まだまだこのメンバーで一緒にバスケができるので。一旦、それぞれのチームでがんばって、またパリでみんなが成長して戻ってこられたらと思います」
『渡邊雄太「このメンバーで、ずっとバスケをやっていたい」感動を与えてくれたホーバスジャパンの「旅」はまだ終わらない』(Sportiva 2023/9/3)
退路を断った渡邉選手進む道は閉ざされることなく、パリ・オリンピックへと開かれていきました。
「それぞれのチームでがんばって、またパリでみんなが成長して戻ってこられたらと思います」
大黒柱の放ったこの言葉もまた、パリ五輪に向けて、選手たちのモチベーションを維持し高めるものとして、メンバーに影響し続けることでしょう。
河村勇輝の名言:気持ちを強く持って戦っていければやれる!
FIBAW杯(2023)で、パリ五輪出場を決め試合はカーボベルデ戦でした。
試合終了直前、勝利を確信してゆっくりとドリブルしていたのは、日本代表で最年少22歳の河村勇輝選手(PG/横浜ビー・コルセアーズ)でした。試合終了を告げるブザーが鳴ると、河村選手は真っ先に、渡邊雄太選手のもとに駆けよって、ボールを渡しました。
ウィニングボールを渡邊選手に渡したことについて、河村選手は、こう語っています。
「雄太さんはトムさんの体制の前から、ずっと日本代表を引っ張ってきた先輩なので。やはり、最後のウイニングボールは雄太さんに渡したかったんですけど、僕は相手コートに入ってしまっていて(ルールがあるため)そこからは後ろには戻れないという(笑)。あのとき雄太さんは(感極まって)下を向いてしまっていたので。ブザーが鳴ってから渡しに行こうと考えていました」
「パリ五輪出場決定」でも河村勇輝が感情を爆発させないワケは?…バスケW杯で世界が注目“身長172cmの司令塔”の見据える先(Number Web 2023/9/3)
この河村選手の言葉から、一流アスリートによく見られる「利他の精神」をつかみ取ることができます。
「利他」とは、「自分のため」になることだけをしようとするのではなく、他者のことを思い、「他者のため」になることを率先してしようとすることです。
「経営の神様」と呼ばれた京セラ創業者「稲盛和夫」氏は、利他の心を座右の銘としていました。稲盛氏は、著書『成功の要諦』(致知出版社)で、こう書いています。
「世のため人のために尽くすことによって、自分の運命を変えていくことができます。自分だけよければいい、という利己の心を離れて、他人の幸せを願う利他の心になる。そうすれば自分の人生が豊かになり、幸運に恵まれる」
カーボベルデ戦の最後、河村選手は、選択肢のひとつとして、ウィニングボールを自分のものにすることもできました。しかし、河村選手は、試合が終わる直前に「他者」(渡邊雄太選手)に思いを寄せていたのです。
河村選手が、試合の始まりでコートに入る時に、深くお辞儀するシーンがメディアで何度かクローズアップされました。アスリートは常に「心技体」のレベルアップを求められます。基本となるのが「心」の部分です。
河村選手は山口県出身です。バスケの名門「福岡第一高校」に進学し、全国大会で2連覇を果たしています。バスケの名門校ですので、礼儀に対する指導は厳しいものがあったでしょう。
河村選手の「深いお辞儀」、そして渡邊選手にウィニングボールを渡す行いに、彼の磨かれ抜かれた「心」を感じずにはいられません。
河村選手が「利他の心」の持ち主があることの証となる言葉があります。それが FIBAW杯(2023)を終えての言葉です。
『気持ちを強く持って戦っていければやれる!』
ということを証明できた……かどうかわからないですけど。小さな子供たちが1人でも多く、『僕もバスケットを始めたいな』とか、日本のみなさんが生きる糧にしてくれればいいかなとは思っていたので。まずは勝利という結果で恩返しすることができて良かったなと思います」
「パリ五輪出場決定」でも河村勇輝が感情を爆発させないワケは?…バスケW杯で世界が注目“身長172cmの司令塔”の見据える先(Number Web 2023/9/3)
河村選手は、自分の勝利を誇るのではなく、「小さな子どもたち」や「日本のみなさん」のことを気にかけています。これぞまさに「自分」より「他者」を思う「利他の心」です。
「心技体」。3のバランスのとれた一流アスリートの証となる河村選手の名言です。
富永啓生の名言:日本代表を強くできる一つのピースになる。
FIBAW杯(2023)の日本代表チームで、最も強いインパクトを与えた選手といえば、富永啓生選手ではないでしょうか。彼の放つ3ポイントシュートは、チームの勝敗を左右してきました。
パリ五輪の自力出場を決めたカーボベルデ戦での富永啓生選手の3ポイント成果効率は驚異の75%(8本中6本:計22得点)でした。75%だけでも驚くべき数字ですが、6本連続で3ポイントシュートを決めているのです。
米国ネブラスカ大の地元紙「ノース・プラット・テレグラフ」も富永選手の活躍を「ケイセイ・トミナガが1つも外さない完璧なシュートの前半でFIBAワールドカップで輝く」と記事にしました。
富永選手の父親は、元バスケットボール日本代表の「富永啓之」氏です。バスケットボール界のサラブレッドといえる富永選手は、愛知県名古屋市の出身です。
桜丘高等学校(愛知県豊橋市)時代には、第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会(2018 ウインターカップ)に出場し、河村勇輝選手(福岡第一)と対戦しています。この時は、河村選手率いる福岡第一に敗れています。
富永選手と河村選手の仲の良さが、よくメディアで報じられています。ふたり2001年生まれで同い年です。
富永選手は高校卒業後、アメリカのレンジャー・カレッジに進学し、その後、現在のネブラスカ大に編入しています。今後、NBA選手になれるのか、スポーツ界が注目しています。
ディープスリーと呼ばれる深いポジションから放つシュートが富永選手の得意技です。ところが、第3戦のオーストラリア戦では、本人が「人生でないぐらいスリーポイントが入らない試合でした」というほど、3Pシュートが決まらなかった。10本3Pシュートを打つものの1本も入りませんでした。徹底的にマークされたのです。
それでもオースラリア戦で富永選手は、8得点しています。
スリーポイントが入らなかったときに、何ができるのって話になってくると思うので。2ポイントで得点を重ねて盛り上げたり
自分の「強み」を消された時に、どうするか。何らかの打開策を持っていることが大切です。
富永選手は3ポイントを打たせてもらえないならと、逆に、中に切り込んでいって2ポイントシュートで得点を重ねチームに貢献しました。
練習が大事。そして、試合を重ねていくことでアスリートは進化していくものです。
個人としても成長して日本に戻ってきたときに、日本代表を強くできる一つのピースになる。
得点パターンのレーパートリーを増やし進化した富永選手は、バリ五輪で、また、私たちを驚かせてくれるでしょう。
(文:松山 淳)
2023年8-9月、日本、フィリピン、インドネシアにて、第19回FIBAバスケットボール・ワールドカップが開催された。男子日本代表はトム・ホーバス監督のもと、国内組、海外組を合わせ12名が選出された。キャプテンは、富樫 勇樹選手。
【🇯🇵監督(ヘッドーコーチ)】
トム・ウェイン・ホーバス(Thomas Wayne Hovasse)アメリカ出身
【🇯🇵選手12名】
2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ)
6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / フェニックス・サンズ)
18 馬場 雄大 (SG / 195cm / -)
19 西田 優大 (SG / 190cm / シーホース三河)
24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷)
30 富永 啓生 (SG / 188cm / ネブラスカ大学)
31 原 修太 (SF / 187cm / 千葉ジェッツ)
75 井上 宗一郎 (PF / 201cm / 越谷アルファーズ)
91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / アルバルク東京)
99 川真田 紘也 (C / 204cm / 滋賀レイクス)
3勝2敗でアジア1位となり、パリ五輪の出場権を獲得した。自力での五輪出場は、76年モントリオール大会以来48年ぶりの快挙である。国際大会で欧州勢(フィンランド)に勝利したのは初めて。日本バスケットの歴史を塗りかえる大会となった。
【第19回バスケW杯 日本代表男子 戦績(3勝2敗)】
・8/25 ⚫️🇯🇵日本63点 V.S 🇩🇪ドイツ81点
・8/27 ⚪️🇯🇵日本98点 V.S 🇫🇮フィンランド88点
・8/29 ⚫️🇯🇵日本89点 V.S 🇦🇺オーストラリア109点
・8/25 ⚪️🇯🇵日本63点 V.S ベネズエラ81点
・8/25 ⚪️🇯🇵日本80点 V.S 🇨🇻カーボベルデ71点
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