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脳科学で明らかになった瞑想の効果

コラム123脳科学で明らかになった瞑想の効果

 マインドフルネス瞑想の広がりと脳科学の進展によって、瞑想が心身によりよい効果をもたらすことは、常識になりつつある。脳内で「自己制御力」に関わる「前帯状皮質(ACC)」や記憶を司る部位「海馬」が、瞑想によって構造的に変化する。うつ病やPTSDに苦しむ人たちは、「海馬」が萎縮しているケースが多いが、瞑想によって「海馬」が回復することがわかっている。脳科学における瞑想研究を紹介しながら「瞑想の効果」について考える。

日本でも瞑想が社会的に認知された理由

 「瞑想」と聞いて、どんな印象をもたれますか。

 「瞑想といったら宗教だから、どこかうさん臭い」。かつて多くの日本人は、程度の差こそあれ、瞑想に対して否定的なイメージをもっていました。「瞑想をする人はちょっと変な人たちだから、あまり関わりたくない」などと…。

 このネガティブな印象が少しずつ変化していったのは、2010年代になって「マインドフルネス瞑想」が、日本で広がっていったためです。

まっつん
まっつん

 「グーグル」に代表されるシリコンバレーの企業群が「マインドフルネス瞑想」を人材育成の研修に取り入れ始めました。その動向が日本でも知られるようになって、風向きが変わったのです。

 米国のニュース雑誌『TIME』が、「マインドフルネス」特集を組んだのは2014年のことです。

TIME』
The Mindful Revolution | Feb. 3, 2014

 日本でも、2014年には、米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版『日経サイエンス』(2015.01号)で、瞑想の特集が組まれ、発売されました。

『日経サイエンス』2015年01月号の表紙画像
『日経サイエンス』2015年01月号
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 2016年になると、あのNHKが、NHKスペシャル「キラーストレス」(6/18)で「マインドフルネス瞑想」を紹介し、NHK「Eテレ」の「サイエンスZero」〔「新・瞑想法 “マインドフルネス”で脳を改善!」〕(8/21)でも特集が組まれました。Eテレの「サイエンスZero」は、タイトル通り「科学」を扱う番組です。国営放送の科学番組で「瞑想」が取り上げられたのです。

 こうして瞑想が社会の表舞台で認められるようになった最大の要因は、「瞑想の効果」が、医学的、科学的研究によって証明されたことにあります。

 『日経サイエンス』(2015.01号)には、こう書いてあります。

「何万時間もの瞑想経験を持つ人の脳スキャン画像を初心者や未経験者のものと比べることで、精神修養を目的とした各種の瞑想に、なぜ認知面や感情面で多大なメリットもたらす可能性があるのかが判明しつつある。瞑想の目的は臨床心理学や精神医学、予防医学、教育の目的と多く重なっている。また、瞑想にうつ病や慢性疼痛の治療、全体的な安寧感を涵養する効果があることを示唆する研究が増えている」

『日経サイエンス』2015年01月号p37

 瞑想をする人の代表格は「お坊さん」「僧侶」ですね。そうした瞑想を「よくしている人」と「あまりしない人」と「まったくしない人」を、比べるわけです。すると、明らかに「脳」に違いが見られるのです。

 これは、fMRI(磁気共鳴機能画像法脳)などの技術的進化によって、脳の働きをダイレクトに観察できるようになったお陰です。技術の進化が、瞑想の「うさん臭さ」を払拭しようとしているのです。


なぜ、瞑想によって脳が変わるのか?

 瞑想をすると、心がスッキリしたり、感情的に落ち着いたり、集中力が高まったりします。これらの様々な効果は、古くから言われてきたことです。ヨガでも瞑想をしますので、その歴史は紀元前にまで遡ります。

 では、なぜ、瞑想が人の心や体に、よい影響をもたらすのでしょうか。

 その理由としてあげられるのが、脳神経科学の分野で使われる「可塑性」(かそせい)というキーワードです。「可塑性」を辞書でひくと「固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質」とあります。

 簡単に言ってしまえば「変化をしたら、そのままになる」です。実は、この「神経・脳の可塑性」が認められるようになったのは、1980年代以降のことです。長い医学の歴史からみれば、つい最近のことですね。

 それ以前は、大人になったら脳にある神経が減ることはあっても、増えることはなく、ダメージを受けたものが回復することは「ほぼない」と考えられていました。しかし、fMRI(磁気共鳴機能画像法脳)などの技術進化によって、脳の働きが「見える」ようになると、人間の神経や脳に「可塑性」のあることが明らかにされたのです。

fMRI 計測によって得られた脳の画像。
fMRI 計測によって得られる画像。移動する視覚刺激を見ている際の脳活動を、安静時の脳活動と複数の実験参加者で比較したもの。
Autor:Washington irving (ウィキペディア)

 「可塑性」があるということは、脳は大人になってからも「発達」していくことを意味します。

 スポーツでも武道でも、練習を繰り返すとスキルが高まっていき、時間がたっても、その上達したスキルを再現できます。

まっつん
まっつん

 スキーを例にとってみましょう。選手は別として、一般のスキーヤーにとって、日本でスキーができるのは、雪の降る冬だけです。人によっては2年、3年と間隔が開きます。でも、滑り始めると体が覚えていて、滑ることができます。私も10年ぶりにスキーをしたことがあり、それでもすぐに滑ることができました。

  この「体が覚えている」というのは、脳に「可塑性」(変化したら、そのまま)があることの証といえます。もし、「可塑性」がなかったら、スキーの初心者に戻って、もう一度、初めから覚え直さなければなりません。

 瞑想も、宗教的な考え方(例えば、神様が全てをしてくれる)を除けば、スポーツや武道と同じように、自分で繰り返し練習することで上達していきます。脳の構造が変化をし、変化をしたら、ある一定レベルを維持するわけです。

 ですので、瞑想によって、例えば、感情を安定させる脳の部位(海馬、扁桃体など)がよりよく変化をしたら、瞑想をしていない時でも、ある程度、感情を安定させることができるのです。これが「可塑性の力」です。

 そして数々の研究によって、瞑想をすると、脳のどこの部位が活性化され、よりよく変化するのかが、わかってきました。

 では、次に、脳の変化する部位について、脳科学者の論文を参考にしながら、お話ししていきます。


瞑想によって脳は変化する

 瞑想の研究者に、NHKスペシャル「キラーストレス」(6/18)にも登場していたサラ・W・ラザー(Sara W. Lazar)がいます。彼女は、マサチューセッツ総合病院精神科の准研究員であり、ハーバード・メディカルスクールの心理学助教も務めています。

 『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』に、ラザー氏の共著論文「マインドフルネスは脳を健全に保つ」が掲載されています。この論文では、瞑想によって変化する脳の部位として、「前帯状皮質(ACC)」「海馬」を、取り上げ説明しています。

前帯状皮質(ACC):自己制御力

前帯状皮質(ACC)のイメージイラスト
ヒト左大脳半球の内側面。前帯状皮質はオレンジ色の部分。
Autor:Brodmann, Mysid.(Wikipedia

 前帯状皮質(ACC)は、「自己制御力」と深く関わります。瞑想する人は、瞑想しない人より、「自己制御力テスト」で高い点数を示し、前帯状皮質(ACC)の活性化されていることが認められました。

まっつん
まっつん

 人間は、欲しいもの、やりたいことがあっても、理性を働かせ「自分をおさえる」ことができます。もし自分の欲求を「おさえる」ことができなかったら、本能のままに行動することになり、日常生活に支障をきたすようになります。

 欲求をおさえられないのがお酒であれば、「アルコール依存症」となり、薬物であれば「薬物依存症」ですし、ゲームであれば「ゲーム依存症」、SNSであれば「スマホ依存症」になる可能性が高まります。

 前帯状皮質(ACC)は、人間が理性的な存在であるため、とても重要な働きをしています。


囚人たちが瞑想をした結果

 瞑想は、刑務所に取り入れられ効果を上げてきました。

 『瞑想する脳科学』 (永沢哲 講談社)によると、 ヨガや仏教の聖地であるインドの刑務所でヴィッパサナ瞑想が初めて取り入れられたのが1975年のことです。それは、インドのラジャスターン州ジャイプールの刑務所でした。

『瞑想する脳科学』 (永沢哲 講談社)
の表紙画像
『瞑想する脳科学』 (永沢哲 講談社)
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 「ヴィッパサナ瞑想」とは、仏教の瞑想手法のひとつで、私たちが知る「マインドフルネス瞑想」の原型となったものです。つまり「マインドフルネス瞑想」とは「ヴィッパサナ瞑想」が元ネタなのです。

 1970年代、「ヴィッパサナ瞑想」のグルであったラム・シン・ゴエンカが、刑務所で瞑想指導を行いました。その結果、次のような喜ばしい事態が発生したのです。

 ジャイプールの刑務所でおこなわれた瞑想コースは、囚人たちに大きな変化をもたらし、しだいにインドの他の地域の刑務所でも、ヴィッパサナ瞑想のコースがおこなわれるようになっていった。バブ・バヤ ──彼は五分間で三人を殺害した──の場合、バロダ刑務所でヴィパッサナのコースに参加した後、はじめてみずからの行為に強烈な後悔を感じ、被害者の家族に許しを乞う手紙を送った。1992年、兄弟と姉妹の絆を強める「ラクシャ・バンダン」の日、被害者の妻と妹は刑務所を訪れ、バヤの手首に「ラキ」のひもを結んだ。彼を兄弟として認めるしるしだった。

『瞑想する脳科学』 (永沢哲 講談社)p151

 罪を犯す人の全てがそうとは言えませんが、「自己制御力」があり理性的であったなら、罪を犯さずにすんだでしょう。瞑想が囚人たちに大きな変化をもたらしたのであれば、それが「前帯状皮質(ACC)」の活性化であり「自己制御力」の高まりであった可能性があります。

 現在、脳科学の進展によって、明らかにされる瞑想の効果は、こうした歴史的事実とも一致します。

 仏教では「世俗の欲を断つ」ために瞑想修行に励みますね。瞑想する人の方が、「前帯状皮質(ACC)」が発達しているであれば、僧侶が自分の「欲」に対して高い「自己制御力」をもっていることは、納得のできる事実です。

海馬:記憶、情動

脳内での海馬の位置を示したイラスト。
脳内での海馬の位置。赤で示した部分が海馬。
Autor:Life Science Databases(LSDB)(Wikipedia

 「海馬」は、人の記憶や情動と深く関係します。うつ病やPTSDの患者を調べると、この海馬が萎縮しているのです。なぜ、萎縮してしまうのでしょうか。その理由は、海馬がストレスホルモンの「コルチゾール」を受け取る器官だからです。

まっつん
まっつん

 「コルチゾール」は、人がストレスを受けた時に分泌されるホルモンです。適量であれば問題ありませんが、長期に渡ってストレスを受け続けると、「コルチゾール」が分泌され続け、それを受け取る「海馬」を傷つけることになります。そのため、うつ病やPTSDの患者の「海馬」が萎縮するのです。

 うつ病になると、仕事でミスが多くなります。「海馬」は記憶力と深く関わりますので、「言われたことを覚えていない」「仕事の優先順位がつけられなくなる」などの症状が出ることで、ミスにつながるわけです。

 サラ・ラザーは、瞑想によって、萎縮した海馬が回復することを証明しました。海馬の萎縮していた人に、瞑想を行ってもらったところ、海馬の神経細胞が増加していたのです。

 「うつ病」の患者が瞑想をすることで、回復していく。その事実が、脳科学の観点からも明らかになり、瞑想は、医療の分野にも積極的に取り入れられるようになっていきました。

 瞑想が好影響を及ぼす脳の部位は「前帯状皮質(ACC)「海馬」だけでなく、もちろん他にもあります。いずれにしても、医学的、科学的に瞑想の多様な効果が認められるようになり、最後、ラザーの論文は、こう締めくくられています。

いまやマインドフルネスは、企業のリーダーにとって望ましいのではなく必須であろう。脳を健全に保ち、自己制御と意思決定能力を支え、有害なストレスから自分自身を守るための方法なのだ。メンタル・トレーニングとして実践してもよいし、宗教や精神生活の一環として取り入れてもよい。腰を下ろし、しっかり呼吸し、「いまこの時」にただ集中することで変化が期待できる。これを集団で行えば、効果はより顕著になるかもしれない。

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』
「マインドフルネスは脳を健全に保つ」(サラ・E・ラザー 他)

 脳科学の観点を取り入れ瞑想の効果についてのサラ・W・ラザーが提唱していることは、「TED」(8分33秒)にもありますので、興味のある方は、ぜひ、ご覧になってください。日本語字幕があります。

How Meditation Can Reshape Our Brains: Sara Lazar at TEDxCambridge 2011

瞑想すると幸せホルモン「セロトニン」が出る

 先ほど、「コルチゾールは、人がストレスを受けた時に分泌されるホルモン」と書きました。ホルモンとは、人体の働きを調整する化学物質です。

 コルチゾールは別名「ストレスホルモン」。そう書くと、なんだか「悪者」のようですが、もちろん、よい働きもしています。脂肪を分解したり、炎症をおさえる役割が「コルチゾール」にはあるのです。

 要は、増えすぎるといけないわけで、バランスが大事です。

 うつ病やPTSDの患者に「海馬」の萎縮が見られます。これは脳の部位にまつわる問題ですが、ホルモンの観点から見れば、「ホルモン・バランス」が崩れているといえます。

心に影響を与える3つの脳内物質

 うつ病やパニック障害の人は、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が、脳内で欠乏しているのが特徴です。セロトニン神経系がコントロールしている「セロトニン」は、感情を安定させ心を明るくする働きがあります。「セロトニン」が欠乏するので、うつ病の人は、気分の落ち込みが続くと考えられています。

 この「セロトニン」と「瞑想」の関係を長年にわたって研究してきた人が、医学博士「有田秀穂」氏です。長らく東邦大学医学部教授として活躍し、定年退職後、東京(御徒町)で「セロトニンDojo」を開設し、多くの人々の「心のケア」に取り組んでいます。セロトニン研究の第一人者です。

『仏教と脳科学』(有田秀穂ほか サンガ)の表紙画像
『仏教と脳科学』(有田秀穂ほか サンガ)
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 有田博士は、仏教の長老アルボムッレ・スマナサーラと対談本『仏教と脳科学』(サンガ)の中で、「心の働き」と深く関わる神経系を3つに整理しています。

心の働きと関わる3つの神経系
  1. ドーパミン:ドーパミン神経は報酬(成績・お金・地位・夢など)で駆動され、意欲や快情動を発現させる(赤い心)
  2. ノルアドレナリン:ノルアドレナリン神経はストレスで駆動され、注意・集中や不快な情動(不安・緊張)を発生させる(青の心)
  3. セロトニン:セロトニン神経は坐禅やウォーキングなどで活性化され、ドーパミン神経(快)とノルアドレナリン神経(不快)を抑制し、平常心を作り出す(緑の心)

 「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」のバランスが取れていれば、私たちの心は健康でいられます。このバランスが崩れることで、「心の病」になってしまうことがあるのです。

 現在の社会は、「セロトニン」が欠乏しやすい環境になっていると有田博士は心配しています。1日中、ビルにこもってパソコンをして、座り続けているワークスタイル、また、寝る直前までスマホを手放さないライフスタイルでは、「セロトニン」は減っていくばかりだと、警告を鳴らしています。


セロトニンを増やす方法

 「セロトニン」は、私たちの健やかな人生と深く関わります。では、どうすれば「セロトニン」は増えるのでしょう。

 有田博士は、「セロトニン」を増やす、①「太陽の光を浴びる」②「リズム運動」③「グルーミング」の3つの方法を提唱しています。

①太陽の光を浴びる

太陽の光のイメージ画像

 朝、目が覚めたら太陽の光を浴びることで「セロトニン」は出ます。太陽の光は2500~3000ルクス以上あり、室内の照明は500〜1000ルクスほどです。太陽の光を見ると、目の神経回路を経由してセロトニン神経が刺激され、その結果、セロトニンが分泌されるのです。

 1日、部屋にこもって太陽の光を浴びない生活は、メンタルヘルス上の問題を抱えやすい環境といえます。職場でも天気が良ければ、昼休みだけでも、外に出るようにする習慣が大切です。

②リズム運動(瞑想)

瞑想をしている人のイメージ画像

 リズム運動とは、一定のリズムで繰り返し行う何らかの運動のことです。ウォーキング、ジョギング、瞑想がその代表格です。

 じっとしている瞑想は、「運動」とは言えないように思いますが、一定のリズムで「呼吸」をするので、その「呼吸」を運動と考えます。

 瞑想による呼吸法で、「セロトニン」が増えることを、有田博士は、長年の研究で証明してきました。そして、実際にうつ病、パニック障害などの人たちの回復を手助けしたきたのです。

 特に、おへその下の部分である「丹田」の収縮を意識して行う「丹田呼吸」が効果的だといいます。「丹田呼吸」とは、丹田を意識しながら「腹式呼吸」することです。「腹式呼吸」とは、息を吸った時にお腹の下をふくらませ、吐いた時にへこませまる呼吸法です。

 『自律神経をリセットする太陽の浴び方』(山と渓谷社)の中で、有田博士は、こう書いています。

『自律神経をリセットする太陽の浴び方』
(有田秀穂 山と渓谷社)の表紙画像
『自律神経をリセットする太陽の浴び方』
(有田秀穂 山と渓谷社)

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丹田呼吸法を「集中」して「しっかり」と30分間、被験者(お坊さん、ヨガのインストラクター、素人の医学部の学生や研究者たち)に実践してもらい、その前後で血液中のセロトニン濃度を測定すると、明らかに増加することを発見した。

『自律神経をリセットする太陽の浴び方』(山と渓谷社)

 瞑想で「丹田呼吸」をすると、セロトニンが増加します。「丹田呼吸」というと、特別な手法に思われるかもしれませんが、要は「腹式呼吸」ですので、瞑想をする時の基本的な呼吸法です。

 瞑想の基本を守って日々、継続していけば、セロトニンを増やすことが可能です。太陽の光を浴びながら瞑想をすれば、さらに効果的でしょう。

③グルーミング

 「グルーミング」とは「毛づくろい」を意味する言葉です。猿の毛づくろいをイメージしてみてください。猿はお互いに体にタッチし「毛づくろい」することで、良好な関係を保っています。

グルーミングをしている親子のイメージ・イラスト

 この「グルーミング」が人間の行動科学や心理学の分野でも研究をされ、効果があると指摘されています。人間でもお互いにマッサージをしあったり、子供と親、恋人同士がじゃれあったりすることで、脳内に変化が起きて、信頼関係が深まります。

 この時、「幸せホルモン」である「セロトニン」が分泌されるのはもちろんのこと、さらに「愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」も分泌されるのです。

 「オキシトシン」は「セロトニン」と並び、ストレスや痛みをやわらげる効果があり、「幸福感」をもたらしてくれる脳内ホルモンです。仲の良い友達と会話をしたり、ペットと触れあうことも「グルーミング」になります。


まとめ

まっつん
まっつん

 瞑想をすると脳内でより良い変化が起きます。瞑想は心の健康にとても良い習慣です。かつて「ヨガ」も、白い目で見られる時期がありました。でも、今や、ハリウッドのセレブが積極的に健康と美容のためにヨガを取り入れ、日本でも「おしゃれ」で「かっこいい」ものになっています。

 「瞑想」も「ヨガ」と同じように、「おしゃれな」イメージが広がっていけば、健やかな心身をもった人が増えていくでしょう。

 「瞑想」は、脳内の様々な部位を活性化させます。「セロトニン」を分泌させ心を健やかにします。独り静かに座って、呼吸を繰り返すだけです。お金はかかりません。継続さえできれば、シンプルながら、効果は絶大です。

 脳科学の観点からも瞑想の効果は、確かなものとされています。

 瞑想を日々の習慣とし、健やかな日々となることをお祈りいたします。

(文 松山淳)


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